【ウェビナーレポート vol.2 後編】~加点方式の品質評価で神対応でバズるコールセンターへ~
記事後編「CX向上を実現する新時代の品質評価とは」

皆さんこんにちは。
株式会社シーエーシー感情解析事業推進室の下地です。
株式会社Value of Lifeの数矢英子氏をゲストに迎え、「加点方式の品質評価で神対応でバズるコールセンターへ」というテーマで前編と後編に渡ってお届けしています。
前編では、コンタクトセンターを取り巻く環境の変化と新しい品質評価の必要性について触れ、音声感情解析AI搭載の自動品質評価ソリューション『Beluga Box』を紹介いたしました。
今回の後編では、オペレーターの創意工夫を促しお客様満足度を高めることが期待される「加点方式」の品質評価について、具体的な実践方法や効果、さらにはこの評価方法が組織にもたらす変容などについてお伝えいたします。
「加点方式」による品質評価とは?
「当たり前の品質」からプラスαの品質を目指す
下地:
「加点方式」とは具体的にどのような評価基準を設けたら良いのでしょうか?
数矢氏:
加点方式の品質評価は主に「5段階評価」の設計を推奨しています。ランク3を「当たり前の品質」として位置づけ、そこから上の評価を目指すことで、オペレーターの創意工夫を促し、お客様の満足度を高める要素を発見できるのです。
- ランク3「当たり前の品質」
- 減点要素がない状態
- オペレーター全員が達成を目指すべき「基本の応対品質」
- ランク4およびランク5「工夫のある優れた対応」
- 顧客体験を向上させる創意工夫がされた状態
- ベストプラクティスとして共有すべき「お手本の応対品質」
- オペレーター全員のうち10%程度が達成すべき目標として設定
評価者の「カリブレーション」も重要
下地:
「加点方式」の品質評価を行う際、評価する側が気をつけるべきことはありますか?
数矢氏:
評価する側にとっては基準の統一、つまり「カリブレーション」が非常に重要です。評価者間で評価基準に大きな差があると、本来オペレーターの成長を促すことができる「加点方式」もその効果を発揮できません。品質評価の効果を最大化できるよう、評価者は以下のポイントをおさえておきましょう。
- オペレーターが行った「創意工夫」を見つけ、共有する
- 優れた対応事例を組織内で共有する
- 評価者間で評価ポイントのすり合わせを具体的に行う
- 率直にタイムリーにフィードバックを行う
- オペレーターの創意工夫や頑張りに気づいたら、可能な限り即時に褒める
- 改善ポイントがある場合は具体的に提示してあげる
- モチベーション向上につながる声かけを行う
「おもてなし品質」の電話応対を目指して
3つの時間軸での「顧客理解」
下地:
お客様にとって「おもてなし」を感じるかのような気持ちの良い電話応対をするためには、オペレーターはどのような創意工夫をすべきでしょうか?
数矢氏:
お客様に満足いただける応対をするためには、「過去・現在・未来」という3つの時間軸でお客様の状況を理解することが大切です。
- 過去:顧客が持つ背景や過去の体験を理解する
- これまでの問い合わせ履歴
- 問い合わせ前の段階でどのような対応を試みたか
- 電話以外のチャネルで接触した履歴
- 現在:顧客がいま置かれている状況や抱いている感情を理解する
- 現在、課題となっていることは何か
- どのような感情状態にあるか
- 緊急性はどれくらいか
- 未来:目指すべきゴールや提供すべき価値を理解する
- 顧客が期待する成果はなにか
- 長期的な関係構築の視点からいま何をすべきか
- ほかに提供できる価値はないか
オペレーターの「プロセス」を評価する
下地:上記のような顧客理解に取り組むオペレーターの努力を見逃さずに、きちんと評価するためにはどうしたら良いでしょうか?
数矢氏:
従来は、トークスクリプト通りに正確にスムーズに「話すこと」ができたかといた観点で品質評価されることが一般的でしたが、現代では「話し方」だけでなく、「聞き方」「理解度」「提案力」など、お客様と接しているプロセス全体を評価することが重視されるようになりました。具体的な評価ポイントとして以下の通りです。
- 聞き方
- 顧客のタイプに応じた適切な質問で状況把握ができているか
- 共感的な態度で顧客の話を聞けているか
- 理解度
- 顧客のニーズを正確に理解できているか
- 問い合わせの内容だけでなく、その背景にある課題まで理解しようとしているか
- 提案力
- 状況に応じて必要な情報を提供できているか
- 顧客が実行できるレベルの解決策を提示できているか
- 解決策を提示して終わりではなく、付加価値を提供しようとしているか
「〇〇〇文化」が育まれる?新しい品質評価が組織にもたらす影響とは
下地:
「加点方式」の品質評価の導入によって、オペレーター一人ひとりの成長が促されることはもちろん、組織全体としてもどんな影響があるのでしょうか?
数矢氏:
「加点方式」の品質評価が定着すると組織文化にも変化が見られ始めます。例えば以下のようなことが期待できるでしょう。
- 「褒める文化」が育まれる
- オペレーター一人ひとりの「創意工夫」を積極的に発見したり、「成功事例」を共有したりすることで、お互いに褒める文化が生まれる可能性。
- モチベーション向上が顧客満足度の向上につながる好循環
- 標準的な応対品質に「プラスα」を心がけるようになると、自身の対応がブラッシュアップされていくだけでなく、 チーム全体の成長にもつながり、その結果、高い顧客満足度を維持できる。
下地:
コンタクトセンターは、今後ますます企業とお客様をつなぐ重要な接点として進化していくでしょう。前編で紹介した『Beluga Box』のようなAIツールは、人による評価を補完し、より効率的で効果的な品質評価を可能にします。
しかし、最も重要なのはこれらのツールを活用しながら、いかに顧客体験の価値を高められるかという点です。「加点方式」の品質評価とAIの活用は、その進化を支える重要な要素となっていくでしょう。
弊社が開発する音声感情解析AI Empathの詳細についてはこちらから↓
音声感情解析AI Empath (webempath.com)
Beluga Box SaaS(コールンセンター向け製品)の詳細についてはこちらから↓
https://belugabox.webempath.ai/
DMでも情報発信しております。
DMの配信登録はこちらから
記事に関するお問い合わせはこちらから↓
株式会社シーエーシー
Empath事業推進室
mail:empath_info@cac.co.jp