AIの歴史と感情認識AIの位置づけ
こんにちは。株式会社シーエーシーEmpath事業推進室の西田です。
いまやAI、人工知能という言葉はすっかり人口に膾炙し、AIは企業の業務効率化や生産性向上、労働力不足への対応策として用いられるようになりました。私たちが提供するコールセンター向けソリューションBeluga Boxもまた、音声から人の感情を識別してオペレーターのメンタルケアにつなげる仕組みをもっており、人のヘルスケアさえもAIが担うようになってきています。
そんな大躍進を遂げているように見えるAIですが、実はこの80年のあいだに様々な紆余曲折があったのをご存知ですか? 今回は、AIの歴史について簡単にご紹介します。
第一次人工知能ブーム
人工知能の歴史が始まったのは、1950年代であるといわれています。
アメリカ東海岸の北部ニューハンプシャー州にある私立大学、アイビーリーグの一校であるダートマス・カレッジで1956年夏に行われた研究会からその名をとった「ダートマス会議」が、人工知能研究の基礎となったといわれています。この研究会の開催を提案するにあたって、当時ダートマス・カレッジの若手の計算機科学研究者であったJohn McCarthyによってartificial intelligence「人工知能」という言葉が新たに作られました。ここから始まったAI研究や実用化の流れを、第一次人工知能ブームといいます。
しかし、当時のコンピューターの計算能力の限界から、様々な要因から成る複雑なタスクを行わせることはできないことが次第に判明し、1970年に入るころにはブームは終わりを迎えました。続く1970年代ころは、「AIの冬の時代」といわれています。
第二次人工知能ブーム
1980年代には、第二次人工知能ブームが起こりました。
この時期には、専門的な知識を取り込んだシステムがその分野の専門家のような推論や判断を行う「エキスパートシステム」という技術が流行しました。しかし、専門知識をデータとしてコンピューターに与えるということにはいくつかの困難が伴いました。それは、専門家が行う判断の背景には容易に明文化できない直観や暗黙知があるため、それらをデータ化することが難しかったということです。さらには、専門知識をデータ化し、それをコンピューターに蓄積させるという作業自体はコンピューター自身で行うことはできず、人力が必要だったため、非常に時間と手間のかかるものだったということも問題でした。結果的に、実用化できるエキスパートシステムは特定の領域に限られるものとなり、1990年代に第二次人工知能ブームは終わりを迎えることになります。再び、「AIの冬の時代」がやってきたのでした。
第三次人工知能ブーム
2000年代には第三次人工知能ブームが起こり、現在もその最中にあるといわれています。この潮流を動かしているのは、機械学習の実用化、そしてディープラーニング(データからコンピューター自身がデータの特徴を分析する手法)の登場と、それを支えるビッグデータの利用技術の確立だと考えられます。
また、一般の人々がAIについてのニュースを頻繁に目にするようになったのもこの時期だといえるのではないでしょうか。たとえば、2016年には、Googleが開発した囲碁AI「アルファ碁」にプロ棋士が敗北したというニュースは、盛んに報じられました。また、2018年には、国を挙げてAI産業を推し進める中国のアリババによって開発されたAIは、10万問以上の読解力テストの問題に対する正答率において、人間のスコアを上回ったというニュースも報じられました。このように、AIの能力と可能性が人々に認知されていくのと同時に、AIが搭載された製品やサービスもより私たちの日常に浸透してきたともいえるでしょう。
第四次人工知能ブーム?
現在「あなたの身近にあるAIといえば?」と聞かれたら、多くの人が「ChatGPT」と答えるのではないでしょうか。一般的な知識の要点をわかりやすく教えてくれたり、長い文章の要点をふまえて要約したりできるChatGPTは、自然言語(私たちが日常的に使っている言語)を高度に処理する技術によって成り立っています。また、絵や写真のような画像を生成したり、音声や動画を生成したりするAIも話題となっていますね。これらのAIも、学習した文章、絵、写真、音などのデータから新たなデータを生み出すという点においてChatGPTと共通しており、まとめて「生成系AI」と呼ばれています。
今、世界では第三次人工知能ブームの特徴である機械学習の応用やディープラーニングの発展が続いています。しかし、生成系AIの登場と日常生活への浸透という点を重視するならば、ChatGPTがリリースされた2022年をもって社会は第四次人工知能ブームへと転換している、と後に捉えられるようになるかもしれませんね。
問題点
人工知能の技術は、文字通り日進月歩の勢いで発展しています。しかしながら、技術が急速に発展する裏側で、社会的・道徳的規範、安全性、AIの責任性、データとプライバシーの保護などの観点から、様々な倫理的問題が指摘されています。AIに関する研究、製品、サービスをめぐって起こっている問題や議論されている倫理については、私は非常に興味深いと思っていますので、また別の機会にじっくりご紹介いたしましょう。
私たちEmpathは、主に日本語音声を使って作られた、音声からの感情解析モデルを提供しています。
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