コールセンターのAIソリューション~解決できる課題~
皆さんこんにちは。
株式会社シーエーシーのEmpath事業部、柳原です。
皆さんはコールセンターに「AIを取り入れる」ことについて検討された事はあるでしょうか。
今回の記事では、
「どんなコールセンター向けAIソリューションがあるんだろう?」
「どんな課題を解決できるんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、
「コールセンター向けAIソリューションにはどのような種類があるのか、どんな課題を解決できるのか」
についてまとめました。
より効果的なAIソリューションを導入するために、是非ご一読ください!
~目次~
- コールセンターが持つ課題
- 問合わせ対応自動化(オペレータの省力)のためのソリューション
a. チャットボット
b. ボイスボット - 情報処理効率化のためのソリューション
a. FAQ
b. テキスト化・要約等
c. 感情解析 - まとめ
1.コールセンターが持つ課題
では、そもそもコールセンターにはどのような課題があるのでしょうか?
Empathでは20社を超えるコールセンターにヒアリングをしました。
課題として多くあがった点は下記となります。
経営貢献
コールセンターの運営により顧客満足度を向上させ、経営に対して貢献できる状態を作り切れていない。また、音声資産を活用し売上向上や経営のヒントを見つけることができる状態でない。
離職率の高さ
オペレータの離職により1人平均84万円程度の損失を生む。現状ではセンター内の人的努力で離職を防いでいるが、年間50%以上の離職があるセンターも多い。
品質の均一化
大きなセンターほど複数のアウトソーサーに業務を依頼するケースが多いが、品質管理自体はアウトソーサーのチェックによるため品質のばらつきがどうしても出てしまうケースが多い。品質のばらつきは顧客満足度の低下につながってしまう。
また、他にも
放棄呼率の高さ
あまりに問い合わせが多く、放棄呼が増え顧客満足度が下がってしまう。
人材の採用・育成
オペレータを育成するSVが多忙のため育成に十分時間が割けない、教育を行う側であるSVの採用や育成も困難といった状況が原因と考えられる。長期的な人材育成ができていないことで、定着率や品質に影響が出てしまう。
といった問題も良く挙げられます。
これらコールセンターの問題解決の一助となるのが、ソリューションとしてのAIの活用です。
ここからは、どのような種類のAIが、どのようにそれぞれの課題を解決できるのかについてご説明します。
2.問い合わせ対応自動化(オペレータの省力)のためのソリューション
まずご紹介するのは、問い合わせ対応自動化のためのAIソリューションです。
主には二つの種類があります。
a. チャットボット
チャットボットは、テキストベースで顧客と対話するAIシステムです。顧客の問い合わせに自動応答したり、簡単なタスクを実行したりすることができます。
24時間365日の対応が可能なため、受電数を削減することが期待できます。
また、テキストベースで問い合わせ内容がたまっていくため、データ活用に生かすこともできます。
解決できる主な課題
経営貢献
お客様にとって問い合わせのチャネルが増えるため、お客様自身での問題解決ができるようになり、顧客満足度が向上します。
放棄呼率の高さ
単純な質問などはチャットボットが解決できるようにすることで、受電数の減少が期待できます。
b. ボイスボット
ボイスボットは、顧客の音声を認識し、自動的に応答します。顧客は自然な言葉で問い合わせを行うことができ、ボイスボットはその内容を理解して適切な対応を行います。 チャットボットと同様、24時間365日の対応が可能なため、通話数を削減することが期待できます。 IVRと比べてお客様が求める回答にたどり着くスピードが速く、お客様の満足度向上に効果を期待できます。
一方で、音声認識の精度によってはボイスボットの応答が上手く機能しない可能性があるところはデメリットだと言えるでしょう。
また、AIでは対応しきれない通話はオペレータに回す、等といった対応ができる製品もあります。
解決できる主な課題
経営貢献
チャットボットのようなテキストコミュニケーションに慣れていないお客様への問い合わせのチャネルが増えるため、お客様自身での問題解決ができるようになり、顧客満足度が向上します。
放棄呼率の高さ
ボイスボットの受電枠を用意することで、オペレータの稼働が足りないタイミングでボイスボットが対応することにより放棄呼を減らすことができます。特に受注等の業務で活用が進んでいるようです。
次にご紹介するのは、情報処理効率化のためのAIソリューションです。
3.情報処理効率化のためのソリューション
a. FAQサポート
オペレータとお客様の会話をAIが認識し、お客様が知りたい答えについてAIが自動で調べ、オペレータがすぐに参照できるように回答をポップアップなどで表示することができるシステムです。
オペレータが答えを調べる時間を削減し、知識のない新人も業務に就きやすくなります。
解決できる主な課題
品質の均一化
全てのオペレータがスムーズに質問に回答できるようになるため品質が向上します。また、問題解決率が向上することで顧客満足度の向上にもつながります。
人材の採用・育成
知識量が求められるコールセンターでも、FAQのAIがサポートする事で、新人が業務に就くまでの期間を短くすることができます。
b. テキスト化・要約
オペレータとお客様の会話をAIが認識し、テキストに書き起こします。また、テキスト化した文章を要約してくれるシステムもあります。
テキスト化される事で、SVがオペレーション中の通話内容を比較的短時間で確認することができるため、オペレータへのフォローがしやすくなります。また、要約された内容を確認することで問題通話の特定を行いセンターの品質改善に寄与します。
解決できる主な課題
経営貢献
溜まったテキストデータを元にVOC(Voice of cusotmer:お客様の声)解析を実施し、お客様の隠れた要望を見つけることができます。最近ではLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を利用したVOC解析が効果を発揮する事例も増えているようです。
品質の均一化
通話内容の要約から問題がありそうな通話を見つける事ができます。指導対象のオペレータに対して、該当通話を指摘することで、適切な指導が行えるようになります。
c. 感情解析
テキストからだけではわからない顧客感情を測定し、満足度の高い通話と低い通話を検出します。
また、お客様の怒り度合からクレーム通話を検出する事で問題通話の早期解決に繋げることができます。そうすることで、クレームにさらされるオペレータ側の心理負荷を下げる事にも繋がります。
解決できる主な課題
経営貢献
全ての通話に対して顧客満足度を測定できるので、満足度の高い通話、低い通話を分析することでテキストだけでは探ることができないVOC解析の実施ができます。
離職率の改善
お客様からクレームを受けているオペレータや声に元気がないオペレータを感情解析AIで早期発見してケアする事で離職率の低下が期待できます。
4.まとめ
今回は、コールセンターの課題に対応するAIソリューションをご紹介してきました。AIはコールセンターが抱える課題に対して以下のように貢献できます。
問合わせ対応自動化(オペレータの省力)のためのソリューション
- チャットボット → 経営貢献、放棄呼率の高さ
- ボイスボット → 経営貢献、放棄呼率の高さ
情報処理効率化のためのソリューション
- FAQ → 品質の均一化、人材の採用・育成
- テキスト化・要約等 → 経営貢献、品質の均一化
- 感情解析 → 経営貢献、離職率の改善
さて、弊社Empathは、音声からオペレータと
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